英語で名前を書くには、名字(苗字、姓)を大文字にしたりカンマ(コンマ)を使う方法もありますが、これは標準的なものではありません。
日本政府が2019年5月に、名前の書き方の方針を発表しました。これは正解の1つですが、アメリカやイギリスでは使われていません。名前の書き方にただ1つの正解はなく、状況にあわせるのがおすすめです。日本では日本のやり方で、海外では海外のやり方にするべきです。
この記事では、英語の名前の書き方を紹介します。この記事で紹介するのはアメリカ・イギリスの名前の書き方で、標準的な書き方です。
目次
英語の名前の書き方
順番は名字が後
世界にはいろんな名前の書き方や順番がありますが、英語圏(アメリカ・ヨーロッパ)では名字が後です。
例えば、アメリカ政府・イギリス政府のホームページを見るとわかりますが、名前はファーストネームが先でファミリーネームが後に書かれています。
名前の書き方を参考にするなら、権威があって間違いないものを参考にするべきです。アメリカ政府・イギリス政府のホームページは参考にできるものです。
名字(姓)を大文字にしない
英語で名前を書くときには、ファーストネームとファミリーネームの最初の1文字だけを大文字にして、他の文字は小文字にします。
ファミリーネームをすべて大文字にする書き方もありますが、この書き方はアメリカ・イギリスなどで使われていません。
日本の学会などが発行する論文ではこの書き方をすることもありますが、世界的には珍しいです。
名前の書き方には以下のスタイルがありますが、おすすめはアメリカ・イギリスのスタイルです。例えば、名前がたなかたろうの場合には、以下のパターンがあります。
- アメリカ・イギリスの書き方:Tarou Tanaka(おすすめ)
- オリンピック:TAROU TANAKA
(すべて大文字にして、ファーストネームは先頭以外を小さくする) - 日本の書き方1:Tarou TANAKA
- 日本の書き方2:Tanaka Tarou
オリンピックの書き方
日本のテレビ会社が日本人にオリンピックを放映するときは、3の方法を使います。海外のテレビ会社がその国の人に放映するときは2の方法を使います。
興味がある人は確認してみてください。日本語で実況されている番組では、日本のテレビ会社が放映しています。
オリンピックの書き方は特殊であり、それ以外では使われません。こだわりがなければ、使う必要はありません。
日本の書き方
苗字を大文字にしたり、ファミリーネーム・ファーストネームの順番で書く人もいますが、これは日本で通じるやり方です。アメリカやヨーロッパでは通じません。
カンマ(コンマ)を使わない
ファミリーネームとファーストネームを区別するために、カンマ(コンマ)を使う方法もあります。しかし、この書き方はアメリカ・イギリスで使われていません。
カンマを使う理由は、ファミリーネームとファーストネームを区別するためです。世界にはいろんな文化があるので、ファミリーネームとファーストネームの順番は統一されていません。
ファミリーネームとファーストネームを区別するには、カンマを使えばいいと考える人もいます。
しかし、この書き方は英語の名前の標準的な書き方でありません。誤解を避けるためにカンマを使うのはおすすめしません。アメリカやヨーロッパの人にとっては、奇妙に見えるだけです。
名前の書き方は状況にあわせる。郷に入っては郷に従う
英語の名前の書き方には、いろんなスタイルがあります。正解は1つではないので、状況にあわせてください。郷に入っては郷に従うのが安全です。
日本では名字・名前の順番で名前を書くので、日本人は海外でもそのスタイルを使うべきと考える人もいますが、やめておくのが無難です。
例えば、アメリカやイギリスに旅行するなら、アメリカやイギリスのスタイルにあわせてください。アメリカやイギリスで日本のスタイルを押し通しても構いませんが、不都合が起きます。
書類などに名前を書く際には、書類に指定された方法で名前を書いてください。書類のフォーマットを無視してはいけません。私が海外に旅行したときには、入国審査の書類のフォーマットに合わせました(アメリカ・イギリスのスタイル)。
英語の論文を書くとき
英語の論文を書くことがあるかもしれませんが、この場合も学会のスタイルに合わせてください。私は国内の学術誌に論文を出したとき、学会のスタイルに合わせました。海外の学術誌に論文を出すなら、その学会に合わせます。
英語の名前の書き方と日本政府の見解
日本政府は海外の報道機関に、日本人の名前を英語で書く際にはファミリーネーム、ファーストネームの順番で書くように呼びかけました。
これは日本政府が海外の報道機関に呼び掛けたものであり、海外の人がこの方法を受け入れるとは限りません。そもそも、海外の人がこの呼びかけに気づかないこともあります。
日本政府が発表した名前の書き方のスタイルは日本国内に限って有効であり、海外でこれを使う必要はありません。アメリカ政府やイギリス政府は日本政府の方針を参考にするとは限りませんし、外国の文化も変わらないでしょう。