頭が動かないときや感情がないときは心の病気?うつや不安障害と脳の関係

最近、頭が動かなかったり、感情がなくなったと感じる人はいませんか。学校や会社での成績が低下したりすると、自分の年齢や能力、努力が足りないのかと考えますが、うつ病や不安障害などの心の病気が原因かもしれません。

うつ病や不安障害などの心の病気はサラリーマンの病気というイメージがありましたが、実際にはそれを発症する確率が高い年齢は10代と20代です。
10代の子供の脳は未完成ですし、柔軟な考えができるほど人生経験もありません。数か月や数年ごとに人生の分岐点になる試験を受けるのですから、大人よりも大変かもしれません。
20代も社会に出た直後で、今までに経験していないことに関わるのですから、ストレスも多くあります。

私は不安障害にかかっているだけでなく、うつ病になったこともありますから、経験者だからわかることもあります。この記事では、私の実際の経験に基づいて心の病気と脳の働きの関係を紹介します。

うつ病や不安障害の症状と脳の関係

うつ病になると気分が落ち込んだり悲しくなったりするというのが一般的なイメージですが、それ以外にも大脳が関係することに多くの症状が現れます。不安障害はうつ病ほど知られてはいませんが、不安が強くなる心の病気です。うつ病や不安障害の症状には以下のようなものがありますが、これらだけではありません。

  1. 会話を理解することができない
  2. 記憶力が低下したり忘れることが多くなる
  3. マルチタスクができなくなる
  4. 集中力が続かない
  5. 持久力が続かない
  6. 感情がなくなるか平たんになる
  7. 意欲がなくなる

うつ病の場合

うつ病の人は美しい物を見たり楽しいことをしても、その感情を感じないことがあるといわれます。これは脳が美しいものを見ても反応しないからです。一方で、空腹感や痛みなどの原始的な感情を感じることができますが、それは大脳が関係しないからです。大脳は知性にかかわる部位ですから、それが活動しないということは感情だけでなく上に挙げたような知性に関わる症状も現れます。

不安障害の場合

不安障害の人は普通の人が感じないことにも強い不安を感じます。
例えば、閉所恐怖症としても知られている広場恐怖は不安障害の1つですが、エレベーターのような狭い空間だけでなく、ミーティングや散髪など物理的に閉じ込められていないことにも恐怖を感じるようになります。
広場恐怖の人が散髪に行く場合には、髪を切っている最中は身動きをすることができませんから、これは社会的に閉じ込められていることと同じです。その間は常に不安でドキドキしていますし、パニックになることを必死で抑えようとしています。その状態で会話を理解したり、何かに集中することはできません。また、散髪に行く前にも強い不安を感じるので消耗しきってしまい、持久力がなくなったりします。

 

うつ病や不安障害のしくみ

うつ病や不安障害などの心の病気になると脳の機能に影響が現れますが、それは以下のようなしくみで起こります。心の病気というとよくわかりませんが、実際には脳の機能障害です。

脳内の神経伝達の障害

脳が活動するには神経伝達物質と呼ばれる化学物質が必要ですが、うつ病や不安障害の人の脳には神経伝達物質に問題があります。
例えば、神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンが過剰に分泌されたり、それらが多く分解されすぎたりすると必要な情報が伝達されにくくなり、脳がうまく機能しなくなります。その結果として、感情や思考力が低下します。

 

扁桃体の機能障害

不安障害になると、短期記憶に関わる部位である扁桃体がうまく機能しなくなります。扁桃体は短期記憶だけでなく不安や恐怖の感情も処理するので、普通の人よりも不安が強くなります。

ワーキングメモリー

短期記憶はワーキングメモリーと関係があり、不安が強いと短期記憶やワーキングメモリーがうまく動かないのは、扁桃体がこの2つを管理しているからです。不安が強いときには、扁桃体はその不安の制御に集中せざるを得なくなり、短期記憶がおろそかになるのでしょう。

もし頭が働かないとしたら、それは短期記憶を司る扁桃体がうまく機能していないからかもしれません。うまく機能しないというと活動が低下することを考えますが、活動が活発になりすぎているのかもしれません。車のブレーキは利きが良すぎても悪すぎても問題ですが、扁桃体も同じです。

 

私のうつ病や不安障害の経験と症状

私は中学生の頃に不登校でしたが、その前後の頃から不安障害になりました。だいぶ良くなりましたが、私が実際に経験したいくつかの症状を紹介します。
私はうつ病も経験しましたが、これは不安障害が原因で人生が難しくなったためにうつ病も併発したからです。うつ病と不安障害の原因は同じでセロトニンにあるとされているので、互いに合併症になりやすいのかもしれません。

うつ病の症状

私は24才のころにうつ病になったことがありますが、症状は以下のものでした。

  • 心が固まって感情がなくなる。ただ悲しいという感じでした。
  • 体が重い。家の階段を上がるのもつらかったことを覚えています。
  • 体重が減少する。食事は普通に食べていましたが、体重はかなり減りました。当時の体格は身長が181cm、体重が57kgでした。心の葛藤のせいでエネルギーを消費したのかもしれません。
  • 意欲がなくなる。体が重たければ何もしたくありません。

不安障害の症状

不安障害の症状はいくつもありますが、その一つである強迫性障害(OCD)になると理解力、記憶力など頭の働きが低下する例を紹介します。障害というほどのひどいレベルではありませんが、本人も自覚するくらい能力が低下します。

理解力の低下

読書を例にすると、私が本を読んでいてある文章で引っかかると、その文章を納得するまで繰り返し読まないと心が落ち着きません。同じ文章を数回読むので理解が遅くなります。また、内容の理解ではなく繰り返すことに集中しているので、内容も理解することができません。

記憶力の低下

私は2つのことが同時にできなくなったり、別の割り込み作業があると前の作業のことを忘れてしまうことがあります。
例えば、社会人になって電話番をしたことがありますが、作業に集中していると伝言を伝えることを忘れることが頻繁にありました。短期記憶を司る扁桃体に問題があると、ワーキングメモリーを必要とするマルチタスクが苦手になります。

 

おわりに

最近、頭が動かないと感じている人は自分の年齢のせいにしたり、元々の能力が低いのかと感じるでしょうが、実際には心の病気になっているのかもしれません。自分で心の病気を調べたり、医者に通院してみることをおすすめします。学生の場合には学業の成績に、社会人の場合には会社での成績に関わることなので、放置してはいけません。

私は不安障害を中学生のころに発症しましたが、29才の頃に治療を受けるまでほどんど改善しませんでした。強迫性障害(OCD)などの不安障害のいくつかは自然に治癒することはありませんから、放置するとマイナスの影響が一生続きます。うつ病や不安障害などの心の病気の人は人生を何とかやっているでしょうが、人生に行き詰まる前に治療を受けてください。


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