発表恐怖症やスピーチ恐怖症、あがり症を克服するための考え方(認知行動療法)

人前で発表することに強い不安や緊張を感じて悩んでいる人は発表恐怖症やプレゼンテーション恐怖症、スピーチ恐怖症、あがり症かもしれません。これらの原因の1つは不合理な考え方をしていることです。

私は精神病である対人恐怖症や社交不安障害と呼ばれる社会不安障害(SAD)にかかっていて、発表することに強い不安や抵抗を感じていたことがあります。しかし、私は大学で多くの発表の経験を積むことで、この恐怖症を自分で解消することができました。
発表への緊張や恐怖をゼロにすることはできませんが、苦しまない程度に緩和することができます。

発表恐怖症を克服するには、発表練習をしっかりすることや段階的に発表に慣れること、発表に対する不合理な考え方を変える方法があります。この記事では、発表に対する不合理な考え方を変えることに焦点をあてます。

人前で発表する方法にはいろいろなものがありますが、この記事では発表と質疑応答からなるプレゼンテーションを想定しています。

 

1.発表恐怖症の原因

1-1.不合理な考え方

発表恐怖症の人には特徴があり、発表をすることに対して不合理な考え方をしていることです。不合理な考え方には以下のようなものがありますが、不安に感じることは人によって違います。

発表恐怖症でない健康な人もこれらの考え方をするかもしれませんが、発表恐怖症の人と健康な人はその強さが異なります。健康な人が見ると、発表恐怖症の人の考え方は馬鹿げていると思うかもしれません。

 
発表恐怖症の人 健康な人
1 発表に必ず成功しないといけない 発表に成功するといいけれど、しなくても別に構わない
2 発表への反応が良くなかったら、それは失敗である 発表への反応が悪くても構わないが、良いとうれしい

発表への反応が悪くても、それは悪いことではない

3 発表内容が理解されなかったら、それは発表者である自分が悪い 発表内容が理解されなかったら、自分と聴衆に責任がある(眠っている聴衆もいた)

聴衆が発表を理解できない理由は専門分野が違うから。自分のせいではない

発表に問題があったとしても、それは他の人も同じ。自分だけが悪いわけではない

4 発表に失敗したら悪いことがおきる
(留年、上司からの叱責、契約をとれない)
発表に成功しても失敗しても、大したことはない

 

1-2.よくある不合理な考え方の例

うつ病や不安障害などにかかっている人は不合理な考え方をする癖がありますが、それらには以下のような特徴があります。発表恐怖症は不安障害の1つですから、同じような癖をもちます。

  • べき思考:成功するべき、成功しないといけないと考えること(考え1)
  • 白黒思考:成功・失敗の2つで物事を考えること(考え2)
  • 自己責任:悪いことが起きたとき、自分が原因と考えること(考え3)
  • 破滅思考:破滅的な結果を想像すること(考え4)

ここではよくある不合理な考え方の一部を例に挙げましたが、興味がある人はインターネットなどで調べてみてください。

 

2.認知再構成(不合理な考え方を合理的なものにおきかえる)

2-1.あなたの不合理な考え方を見つける

発表恐怖症の原因の1つは不安に敏感な体質であることですが、発表を恐ろしいものに感じるような不合理な考え方をしている可能性があります。あなたが発表に感じるその考え方を見つけてください。

見つけた不合理な考え方は必ず、ノートに書き留めることをおすすめします。これは、実際に発表をした後にその考え方が適切であったかを検証するためです。

 

2-2.私の不合理な考え方

私は発表恐怖症だった時期がありますが、当時は不合理な考え方をしていました。それは私が不安障害の1つで対人恐怖症や社交不安障害と呼ばれる社会不安障害(SAD)にかかっていたり、真面目な気質だったこともあります。

参考までに、私が発表恐怖症だった頃の不合理な考え方と、発表恐怖症を克服した後の合理的な考え方を以下に紹介します。あなたが私と同じ考え方をしている場合には、私の経験があなたにも役立ちます。

私の発表経験は大学や学会発表、社内のグループ発表であり、不合理な考え方もそれらに関わるものです。

 
私が発表恐怖症だったときの
不合理な考え方
私が発表恐怖症を克服した後の
合理的な考え方
1 発表で失敗して恥をかいたらどうしよう 恥をかいても誰も気にしないし、忘れてくれる。

周りの人は子供ではないから、それで私をからかったりしない。

2 私は発表で失敗したら、無能とみなされる 私は失敗しても無能ではない

100点満点ではないけれど、平均点は取れるから無能とは思われない

3 卒業発表やその質疑応答で失敗したら留年する 発表に失敗した人で、留年した人は1人もいない(実際に調べた)

私は実際に卒業することができた

4 発表や質疑応答で失敗したら上司にひどく叱責される 質疑応答で失敗したときに上司から小言を言われたが、たいしたものではなかった(数分程度で1回だけ)
5 発表を終えたとき、多くの質問がなかったら、私の発表には意味がなかった(理解されなかった) 他人の発表を見てみたが、質疑応答はほとんどないのが普通

質疑応答が盛り上がらなくても、私の発表が特別に悪いのではない

理解されていないとは限らない。私は他の人の発表を理解しても、ほとんど質問しない

6 質疑応答で失敗したら、発表が台無しだ 実際に失敗したことはあるけれど、特に実害はなかった
(上司から小言を言われただけ)
7 緊張でセリフを忘れてしまったらどうしよう 今までに多くの発表をしてきたけれど、それは1度もなかったし、今後も多分ない

十分な練習をすると、体が覚えるから心配ない

8 手や足が震えたらどうしよう 足が震えたことはあるけれど、声は震えなかったので発表ができた
9 質疑応答のとき、私の説明が下手で伝わらなかったらどうしよう 実際に伝わらないことがあったが、誰も気にしなかった

 

10 質疑応答のとき、私の説明が下手で伝わらなかったら私は無能と思われる 発表のときは緊張しているので、他の人も同じようになる

私が劣っているわけではない

仮に無能と思われても、その質問をした人に会うことは2度とない

 

 

3.おわりに

発表恐怖症の人は不安や緊張を引き起こすような考えをしていますが、それが現実に起きることはほとんどありません。不安な考え方をメモしておいて、それが実際に起きるないことを確認すると、不合理な考え方で苦しむことがなくなります。
私は発表恐怖症だったときに多くの不合理な考え方をしていましたが、それが現実になったことはありません。

この記事は発表恐怖症の人の不合理な考え方に焦点をあてましたが、以下の記事では、発表恐怖症の人のため発表練習と本番に備える方法を紹介しています。興味があれば読んでみてください。

発表恐怖症やスピーチ恐怖症、あがり症を克服するための方法や練習

発表恐怖症やスピーチ恐怖症、あがり症を克服するエクスポージャ(暴露療法)の方法

3-1.発表恐怖症は経験を積むと解消する

発表恐怖症以外にも多くの恐怖症がありますが、恐怖症の克服には恐怖を感じる状況を繰り返し経験することが有効です。発表恐怖症の人は、十分な発表の経験を積むと恐怖症を克服できる可能性があります。

 

3-2.精神科に通院するかカウンセリングを受けることがおすすめ

発表恐怖症の人は精神科かカウンセリングを受けることをおすすめします。医師から抗不安薬を処方してもらってもいいですし、カウンセラーからは不合理な考え方を取り除く方法を教えてもらうことができます。

 

3-3.発表恐怖症の人がかかりやすい恐怖症

発表恐怖症は社会不安障害の1つであり、社会不安障害の人がかかりやすい他の恐怖症にもかかるかもしれません。以下の記事で、それらの恐怖症を紹介していますので、参考にしてみてください。
例えば、他人と食事をすることを恐れる会食恐怖症や、電車やバスに乗ることができなくなる広場恐怖症などがあります。

恐怖症を克服するための認知行動療法(CBT)と効果や方法の一覧

 


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