精神病と精神力や心の弱さ、ネガティブさ、マイナス思考は関係がない

心の病気や精神病の人は、自分の心や精神力が弱いことが病気の原因であると考えていませんか。精神病と心の弱さやネガティブさ、マイナス思考は関係がありません。

私は不安障害にかかっていますから、精神病の人が他人だけでなく自分からの批判や無理解に苦しむことを知っています。私も自分の心の弱さが精神病の原因であると考えたこともあります。しかし、精神病について調べていくと、心の弱さと精神病には関係がないと確信することができ、自分を責める感情や劣等感を取り除くことができました。

この記事では、精神病と心の弱さが関係ないことを紹介します。精神病に悩んでいたり自分を責めている人がこの記事を読んで、悩みや自責の感情を取り除くことに役立つとうれしいです。うつ病や不安症を例として扱いますが、他の精神病も同じだと思います。

 

1.精神病と心の弱さが関係ない理由

1-1.人間以外の動物も精神病になるから

うつ病や神経症、不安障害などの精神病の原因が心の弱さだと仮定すると、精神をもたないか人間ほどの複雑な精神を持たない動物は精神病にならないはずです。しかし、犬なども精神病になることがわかっています。ここでは犬を例として紹介しますが、犬だけに限ったことではありません。

 

犬の常同行為と人間の強迫性障害(OCD)

犬は強いストレスを受けると同じ行動を繰り返す常同行為をすることがあります。これは同じところを動き回ったり、同じところを舐めることを繰り返すものです。犬の場合には常同障害と呼ばれますが、これは人間の強迫性障害(OCD)に相当するものです。

人間と犬に共通するものは、不安や怒りなどのストレスを感じる脳の原始的な機能ですから、精神病の原因は脳であると考えたほうが合理的です
強迫性障害は脳の扁桃体と呼ばれる部位の機能障害と考えられていますが、これは脳の原始的な部位で不安の制御をしていて、犬と人間に共通するものです。

 

犬のPTSDと人間のPTSD

人間から虐待を受け続けた犬は人間に対して強い不安や恐れを感じるようになりますが、人間も同じような反応を示します。
例えば、戦争で捕虜になったり、親や配偶者などの家族からの虐待、職場でパワーハラスメントを受け続けるとPTSDを発症することがありますが、これは犬の人間への反応と同じものです。

戦争に参加した兵士が社会に復帰して問題を起こすこともありますが、この原因がPTSDなどの精神障害であることもあります。

 

心の弱さやネガティブさ、マイナス思考は関係ない

人間が精神病になると、心の弱さやネガティブさ、マイナス思考が原因であるといわれることもありますが、それらは関係ありません。
犬の精神病である常同行為やPTSDを例に挙げましたが、犬にはネガティブさやマイナス思考などがないからです。犬は将来を悲観したり、収入が他の犬よりも少ないことに不満を感じることはなさそうです。ごはんやおやつの量は例外ですが。

人間の精神病も同じであり、精神病の原因は心の弱さやネガティブさ、マイナス思考ではなく、脳が恐怖や不安などのストレスにうまく対処できないことで起きる機能障害であると考えたほうが合理的です。

 

1-2.脳に作用する薬で治るから

うつ病や不安障害の治療には薬物が使われることがありますが、これらは脳に作用するものですから、精神や心、魂といったものに作用することはありません。脳に作用する薬で精神病が治るのであれば、精神病の原因は脳や脳の機能であると考えたほうが合理的です。

 

1-3.精神病になる前は健康に生きてきたから

うつ病や不安障害になった人は、精神病が発症するまでは健康で立派に生きてきた人がほとんどです。仕事の内容は個人によって異なりますが、社会に貢献してきたわけですから、精神力が弱かったと考えることは間違っています。

ほとんどの人はノーベル賞を取ったりオリンピックで優勝することがなく、普通の人生を生きています。精神病の人が普通の人生をおくっていたとしても、健康な人と比べて劣っていることはないです。それなのに、精神病の人の精神力が健康な人のものより劣っていると考えるのは間違っています。

 

メッキがはがれた?(ネガティブフィルター)

意地が悪い人や疑い深い人は、健康な人が精神病になったとすると取り繕ってきたメッキがはがれたと考えることもあります。しかし、健康な人がそれまでの人生で立派に生きてきたり社会に貢献してきたことを考えると、メッキがはがれたと考えるのは不合理です。長い人生の中で対処できないことがあって、精神病を発症したと考えるほうが合理的です。

健康な人でも精神病の人でも考え方に共通の癖があります。それは、いいことを無視して悪いことだけを大きく評価することで、認知行動療法ではネガティブフィルターと呼ばれています。メッキがはがれたと考えることも、ネガティブフィルターの1つです。

 

2.おわりに

2-1.知識や経験のない人の批判は無視すること

多くの健康な人は、精神病の原因が心の弱さであると考えますが、現代の精神科の医師や研究者、専門家でそのように考える人はほとんどいません。もちろん、多少はいるかもしれませんが、それは主流派の考え方ではありませんし、専門違いの人かもしれません。例えば、皮膚科の医師には精神病のことはわからないでしょう。

健康で精神病の知識や経験がない人の意見や批判は無視して正解です。その人たちが精神病を理解することができると考えるほうが間違っています。

 

2-2.心の弱さが原因だと誤解すると、治療を受けることができない

精神病の原因が心の弱さでないと考えると、精神病の人は医師が処方する薬を使ったり、カウンセラーなどに助けを求めることができます。しかし、精神病の原因が心の弱さであると考える限り、薬の治療やカウンセリングを受けることができませんし、対処を間違い続けることになります。例えば、以下のような対処はまずうまくいきません。

  • お寺に修行に行ったり、瞑想をすること
  • 自己啓発本を読むこと
  • ポジティブシンキングを学ぶこと
  • ランニングや筋トレなどで根性を鍛えること
  • ハーブティーを飲んだり、腸に良い食べ物を食べること

参考までに、私はこれらをすべて試しましたが、不安障害が治ることはありませんでした。

 

2-3.認知行動療法(CBT)と心の強さや弱さ

認知行動療法(CBT)はうつ病や不安障害の治療で使われる治療法の1つですが、これは人が感じる不安や不合理な考え方を検証して、それが実際には起きないことを確認していくものです。認知行動療法は心を強くするものではなく、不安や不合理な考え方でダメージを受けないようにするものです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です