ランニングの練習は、質と量のバランスが大事。質を高めすぎないこと


ランニング  トレーニング

ランニングやスポーツの練習をしている人は、練習で大事なのは質と量のどちらか悩んだことがあるはずです。一般的には質が大事とされていますが、これは正しくありません。

大事なことは必要な質を確保すること、必要以上に質を高めないことです。これに注意すると練習の効率だけでなく、安全になるからです。

この記事では、練習で最初に必要なものは質、その次が量だと紹介します。練習の質と量を設定するときの参考にしてください。

練習の質と量はどっちが大事?

ランニングの練習として、1000mのランニングを繰り返すと仮定します。質が高くて量が少ない練習、質が低くて量が多い練習には以下のものがあります。

やり方はそれぞれ違いますが、辛さはほぼ同じです。

 
練習の質 練習の量
方法1 100%(質が高い) 1000m×3回
方法2 90%(質が普通) 1000m×6回
方法3 80%(質が低い) 1000m×9回

練習の質はスピードや最大酸素摂取量・最大心拍数の割合などで、自分にとっての辛さです。100%は全力のランニングです。

これらの練習は似ていますが、練習の効果はまったく違います。どれが効率的なランニングの練習でしょうか?

 

練習に必要なのは質、その次が量

練習で最初に必要なのは質です。必要な質が確保できてから、量を増やすことに意味があります。これは大事であり、必要な質を確保できなければ量を増やしても効果はありません。

参考として、ランニングの練習でスピードと持久力を高める考え方を紹介します。

 

スピード練習

スピードを鍛えるために練習するなら、方法1だけが正解です。

スピードを鍛える練習では、速いランニングが必要です。この練習に必要な質は95%~100%くらいですから、方法2と方法3は質が足りません。効果がない練習をどれだけしても、効果はありません。

ランニングのスピードに関わるのは筋肉と神経などですから、これらの最大値を発揮する必要があります。ゆっくりランニングしても、神経は発達しません。

 

持久力練習

ランニングで持久力を鍛えるには、インターバルトレーニングと閾値走があります。インターバルトレーニングは最大酸素摂取量VO2Maxを高めるもの、閾値走は疲労物質である乳酸の分解力を高めるものです。

 

インターバルトレーニング

インターバルトレーニングに必要な質は90%以上ですから、正解は方法1と方法2であり、方法3は効果がありません。しかし、方法2は方法1より効率的な練習です。

方法1と方法2は必要な質を満たすので、その次に量(回数)が効いてきます。方法2は方法1より量が多いので、効果が高いです。

1回の練習に限っては、方法1は方法2より優れています。100%のランニングは90%のランニングより体に負荷をかけるからです。しかし、その差は2倍になりません。

方法2は方法1の量の2倍ですから、体にかかる負荷と時間も2倍になります。100%のランニングと、90%のランニングの効果の違いを細かく考えるより、量を2倍にしたほうが効果が大きくなるのは確実です。

これは一般ランナーだけでなく、オリンピックに参加するフルマラソンのアスリートも同じです。アスリートはインターバルトレーニングをしますが、距離と回数が多いです。これができるのは、1回の質を抑えるからです。

 

閾値走

閾値走に必要な質は80%以上ですからどれも正解です。しかし、方法3は方法1と方法2より効率的な練習です。乳酸の分解力を高めるには、より多くの乳酸を分解する必要があるからです。

方法1と方法2は速すぎて、多くの乳酸が短時間で生成されます。乳酸の血中の濃度が一定値(3mmol~4mmol)を超えると、体はブレーキをかけて乳酸の生成を抑えます。これでは乳酸を分解する練習ができません。

方法3は速すぎないランニングなので、乳酸の血中濃度を低く抑えることができます。体はこの状態だと乳酸の生成を抑えないので、より多くの乳酸を生成します。それは乳酸を分解する練習が多くなるということです。

分解する乳酸の量が増えると、練習の効果が高くなります。

 

練習の質と量を確保する

練習には必要な質と量がありますが、これらのバランスをとってください。最初に質を確保して、次に量を増やすのが正解です。どちらかを取捨選択するのは間違いです。

私はランニングの初心者だったとき、練習に必要なのは質と考えていました。その頃の練習では、100%のランニングを少し繰り返していましたが、これは効果的な練習ではありませんでした。

私はランニングの熟練者になりましたが、練習に必要な質と量を理解しました。高すぎる質を追求するのではなく、必要な質を確保してから量を増やすようにしました。これは練習の質を抑えることですが、効率は高くなります。

 

練習の質を抑える方法

練習の質を高くするのは構いませんが、それには限度があります。質を高くしすぎないで適正な範囲に抑えてください。これは練習の量を増やして効率を高めることになります。

適切な練習の質を確保するには、最初に回数(時間)を決めるのが簡単です。ある程度の回数ができなければ、質が高すぎます。できる回数が多ければ、質が足りません。

例えば、インターバルトレーニングの良いやり方の1つは1000m×5回~10回です。速すぎて5回を走ることができないなら、それは質が高すぎです。少しスピードを落としてください。

10回以上できるなら、質が足りません。もう少し速く走るべきです。

 

練習の質を抑えて安全性を高める

練習の効果とは少し違いますが、質を高くしすぎると体に無理がかかって怪我につながります。安全性のためにも、練習の質を適正に抑えてください。

多くのランナーが故障を経験します。月間走行距離を増やしたり練習の量を増やすことが原因ですが、質が高すぎる練習は故障の原因の1つです。

私は足の指を痛めたことがありますが、それは速すぎるランニングを繰り返したからです。私は練習の質を高めたつもりでしたが失敗でした。質を追求しすぎるのは危険という教訓を学ぶことはできました。

私が足を痛めたランニングは200m×10回で、100%の力で走るショートインターバルトレーニング(レペティション)です。これは質が高くて量が少ない練習ですが、指を痛めるくらい危険でした。

必要以上に質が高い練習には、危険が伴います。


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