熱中症を予防するには、ランニングなどの運動がおすすめです。運動すると体が暑さに適応するので、暑さに強くなるからです。
熱中症を予防するには暑いときの運動を避ける必要がありますが、これは正しくありません。運動すると体が暑さに強くなって、熱中症予防になるからです。気温や湿度などに注意しながら運動すれば、熱中症になることもありません。
この記事では、積極的に熱中症を予防する方法として、ランニングすることを紹介します。過去に熱中症になったことがある人、熱中症が心配な人は参考にしてみてください。
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1.ランニングが熱中症予防に効果的な理由
1-1.発汗能力が高まるから
ランニングすると暑くなって汗をかくので、発汗力を鍛えることができます。発汗力が高ければ、熱中症を予防することに役立ちます。
人間には発汗する機能が備わっていますが、これには個人差があります。普段汗をかかない人は発汗力が低下していて、必要なときに汗をかくことができません。
私はランニングを趣味にしているので、50分間で10kmのランニングをします。私がランニングでかく汗の量は季節によって違いますが、夏の汗の量は1リットルから1.5リットルです。ランニングでこれだけの汗をかく習慣があれば、十分な発汗力があるといえます。
1-2.暑に適応するから(暑熱順化)
人間の体は暑さに適応することができるので(暑熱順化)、暑さに慣れると熱中症になりにくくなります。暑熱順化を促すには、ランニングなどの運動で積極的に暑い状態を作る必要があります。
暑熱順化すると発汗力が高まるだけでなく、暑い状態でも体がうまく機能するようになります。熱中症になると立ち眩みがしたり気分が悪くなりますが、これは体が暑い状態に慣れていないからでもあります。
体は暑い時期になると自然に暑熱順化しますが、ランニングするとより高いレベルの暑熱順化ができるようになります。
1-3.痩せるから
体が太っている人は熱を発散しにくいですから、熱中症になりやすいです。寒い地域の動物は大きいですが、これは熱を逃がさないためです。ランニングするとダイエットになるので、熱中症の予防にもなります。
私は月間走行距離が200kmのランニングを続けていますから、やせています。私は男性で身長が181cm、体重が62kgですから熱がこもりにくいです。
暑くなる時期の前にランニングを始めても、夏までに体重は減らないでしょう。しかし、ランニングを継続すると痩せるので、長期的には熱中症を予防することにつながります。
2.ランニングはウォーキングより効果がある
ランニングはウォーキングより多く発熱しますから、熱中症の予防効果も高まります。体は暑いほど暑熱順化するからです。ランニングの発熱量はウォーキングの約3倍です。
以下の記事で、ランニングの発熱量がウォーキングの3倍である理由を紹介しましたので、興味がある人は参考にしてみてください。
ランニングの移動速度がウォーキングの2倍、1歩あたりの発熱量がウォーキングの1.5倍であることから、全体としては3倍の熱を発することになります。
3.食べ物やエアコンでは限界がある
熱中症を予防するには十分に塩分補給したり、エアコンで室温を適切に保つ方法もあります。しかし、これらだけでは熱中症の予防に不十分です。
意外なことに、熱中症が多く発生するのは室内です。エアコンが効いている室内でも熱中症になるのであれば、エアコンや塩分補給は十分でないといえます。熱中症を予防するには、体を暑さに慣れさせるのも必要です。
4.ストレッチや筋トレは熱中症予防にならない
運動不足を解消するために、ストレッチや筋トレをする人もいます。しかし、ストレッチや筋トレは熱中症予防になりません。ストレッチや筋トレは発熱量が小さいので、暑熱順化しないからです。
夏のランニングで1リットルの汗をかくことは普通ですが、夏のストレッチや筋トレで1リットルの汗をかくことはありません。これは発熱量が小さいからです。また、エアコンが効いた室内でストレッチや筋トレをしても、暑熱順化に役立ちません。
筋トレは発熱量が大きく見えますが、以下の理由で小さいです。
4-1.筋トレの発熱量(カロリー)は小さい
筋トレをすると暑くなるので、発熱量が大きいと思うかもしれません。しかし、ほとんどの筋トレの発熱量はランニングに及びません。
鉄アレイを持ち上げることは辛いですが、ランニングするほうが発熱量は多くなります。ランニングは体重を移動させるのと同じであり、ハードな筋トレだからです。
例えば、10kgの鉄アレイを50cm持ち上げるときの発熱量は0.2kcal、体重が60kgの人が1kgのランニングをするときの発熱量は60kcalです。10kgの鉄アレイを300回持ち上げれば、発熱量はランニングと同じになります。
鉄アレイを300回も持ち上げるのは辛いですが、3kmのランニングは簡単です。
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5.おわりに
熱中症が心配な人は塩分補給やエアコンを使うだけでなく、運動によって暑熱順化することも考えてみてください。これらの方法を兼用すると、熱中症を予防する効果も高くなります。
暑熱順化するのに必要な期間は、1週間~2週間です。熱中症が起こりやすいのは6月~9月ですから、6月や7月に運動を始めても間に合います。早朝や夜などの気温が低い時間帯なら、7月や8月でも安全に運動ができます。
ランニングはウォーキングより熱中症予防の効果が高いですが、運動不足の人はウォーキングから始めてください。暑熱順化するために必要な運動の時間は、30分ほどで十分だと思います。
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