引きこもりは甘えや自己責任ではない。精神病が主な原因

引きこもりが自己責任であるというとき、その意味は引きこもりになった原因はその人が悪いという意味ですが、それは間違っています。ほとんどの引きこもりの原因は精神病であり、本人の甘えや精神力などの個人の資質では対処できないものだからです。

この記事では、引きこもりが甘えや自己責任であるという考え方が間違っていることを紹介します。この記事は引きこもり一般について述べたもので、特定の引きこもりについてのものではありません。

1.引きこもりが甘えや自己責任ではない理由

1-1.多くの引きこもりが精神病にかかっているから

引きこもりの多くは精神病にかかっていることがわかっています。精神病にかかると社会生活に大きな悪影響を与えますから、引きこもりがうまく人生を生きていない原因は精神病であると考えるほうが合理的です。もちろん、精神病は自己責任でなるものではありません。

精神病は個人の資質より大きな悪影響を与える

甘えや精神力などの個人の資質は引きこもりの原因の1つかもしれませんが、精神病は個人の資質よりはるかに大きな影響を与えます。

例えば、任務がきっかけで精神病を発症した元兵士が事件を起こすことは日本でも報道されますが、これは社会に貢献してきた人でも、精神病を発症するとそれができなくなることを示しています。

事件を起こす兵士の資質に問題があると考える人もいるかもしれませんが、兵士は銃や兵器などの危険物を扱いますから、入隊時に高いレベルのチェックを受けます。また、きつい訓練に合格したことや、退役するまで軍に貢献していたことを考えると、個人の資質に問題があると考えることは間違いです。むしろ、社会に認められる水準の資質の人でも、精神病になると行き詰ると考えるべきです。

引きこもりはそれまで社会に貢献してきた人

引きこもりのイメージは、小学校や中学校で不登校になってそのまま40代になった人であると考えるかもしれませんが、それは間違いです。
引きこもりの多くは学校を卒業して社会に貢献してきた人たちであって、引きこもりになるまでは働いていたり学校に通っていた人です。事件を起こす元兵士と同じように、人生のある時期に精神病になって状況に適応できなかった人です。

 

1-2.周囲からのサポートがなかったから

引きこもりになる人は精神病にかかっていることが多いですが、精神病の場合は家族などの周囲の人からサポートを得ることがほとんどなく、肉体的な病気や怪我と比べると不利なことが多いです。

肉体的な病気や怪我の場合

肉体的な病気になったり怪我をした人は、家族や社会に助けられますから、人生をうまくやっていけることがあります。
例えば、事故などで手や足に大きな怪我をした場合には、24時間以内には治療を受けることができますし、その後の数か月にわたってリハビリなどのサポートを受け続けます。症状によって回復に要する期間は違いますが、その間にも周囲からの理解やサポートを受けます。

精神病の場合

精神病の場合は周囲からのサポートがありません。うつ病や不安障害などの精神病は10代~20代で発症することが多いですが、本人や周囲の人間が病気に気づくとは限らないので、治療やサポートが非常に遅れます。しかも、治療をするのは状況がかなり悪化してからですので、対応が難しくなります。

例えば、10代で精神病を発症して引きこもりになり、高校や大学を卒業することなく30代で初めて治療を受けるようなケースでは、自己責任を問うことは現実的ではありません。

 

1-3.自己責任論は問題を解決しないから

引きこもりの原因は甘えや自己責任であると非難されることがありますが、それは問題を解決しません。むしろ、引きこもりの人を非難することで問題の解決を妨げています。
例えば、引きこもりが社会復帰することができない原因の1つは、引きこもりに関係がない人が引きこもりに感じている誤解です。引きこもりが怠けていたり甘えているという誤解を無意識に作り出しています。

関わらない人は非難したり評価する資格がない

引きこもりの場合に使われる自己責任とは、周囲や他人は助けないから引きこもりが自分でどうにかするべきだという意味です。しかし、周囲や他人が引きこもりを助けないなら非難したり評価する資格もありません。もちろん、ほとんどの人には引きこもりは関係がないことですから、引きこもりを助けないのは当たり前ですが。

 

2.おわりに

私の個人的な見解ですが、引きこもりは環境への適応障害が長引いたケースであって、個人の資質は問題がないか常識の範囲内で許容されるものです。もちろん、甘えや自己責任は引きこもりの原因の1つですが、精神病が主な原因です。誰にでも多少の甘えや自己責任はあるでしょう。

 

2-1.ある引きこもりがうまくいくと、他の引きこもりは自己責任?

引きこもりには多くの人がいますが、ある引きこもりが社会復帰できるのに、別の引きこもりが社会復帰できない原因はその人の甘えや怠けだと考える人もいます。

これは不合理な考えであって、引きこもりの個人差は大きいですから、まったく異なる2人の引きこもりを比較することには意味がありません。
例えば、20代前半の引きこもりと40代の引きこもりを同じように比較することは間違っています。また、引きこもりやニートが精神病にかかっている場合には、その症状の強さにも違いがありますので、甘えや怠けだと決めつけることはできません。

 

2-2.社会の偏見も原因の1つ

職歴にブランクがあると就職活動で不利になりますが、これは引きこもりが社会復帰することが難しい原因の1つです。社会が引きこもりの社会復帰を受け入れないのに、引きこもりの自己責任だけが強調されるのはおかしなことです。社会には社会の都合があるので、社会は責められるべきではありませんが、引きこもりも甘えや自己責任で責められるべきではありません。

 

2-3.引きこもりやニートと親の責任

引きこもりやニートの原因はその親にあるかもしれません。
例えば、親は精神病になった子供に適切な治療を受けさせないことがあり、それによって子供を引きこもりやニートにする場合があります。親が子供に治療を受けさせない動機は、身内から精神病の人間をだしたくないという思いですが、これは問題を悪化させます。

以下の記事で、親が子供を引きこもりやニートにする場合を紹介しましたので、参考にしてみてください。

引きこもりやニートは親のせいや親の責任?子供を引きこもりやニートにする親

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