ランニングのインターバルトレーニング(インターバル走、高強度インターバル、HIIT)は、ダイエット効果が高いとされますが、これは間違いです。このダイエット効果は普通のランニングやジョギング以下です。
この記事では、ランニングのインターバルトレーニングのダイエット効果が小さい理由を紹介します。インターバルトレーニングは消費カロリーの効率が悪いので、ダイエットに適していません。やるだけ無駄です。
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ランニングのインターバルトレーニングとは
ランニングのインターバルトレーニングは、速いペースで走ることと休憩を繰り返して体に高い負荷をかけるトレーニングです。例えば、1kmを4分で走って3分間ほど休憩することを1セットとして、これを繰り返します。
ペースには個人差がありますが、辛くて早く終わってほしいと思うペースです。生理学的には、限界の95%~100%の力で走ります。これ以下のペースでは、インターバルトレーニングになりません。
インターバルトレーニングはアスリートがする本格的なトレーニングですが、この記事で紹介するようにダイエット効果はありません。
インターバルトレーニングの消費カロリー
ランニングのインターバルトレーニングの消費カロリーは、普通のランニングと同じです。ランニングの消費カロリーは距離[km]×体重[kg]ですから、どんな走り方でも同じになるからです。
速く走っても遅く走っても、脂肪が燃焼するのは同じです。しかし、この記事で紹介するように、インターバルトレーニングは普通のランニングよりダイエットに適していません。
インターバルトレーニングのダイエット効果が小さい理由
長距離を走れない
ダイエットを目的としてランニングする場合、長距離を走って消費カロリーを多くする必要があります。ランニングの消費カロリーは距離[km]×体重[kg]です。
しかし、インターバルトレーニングは速いペースで走ることと休憩を繰り返すのでばててしまい、長距離を走ることに適していません。
例えば、私はランニングに慣れているので、5分/kmのスピードで10kmを走ることは簡単です。
しかし、インターバルトレーニングとして、4分/kmで1kmを走ることと1分間の休憩を繰り返して、合計10kmを走るのは辛くて無理です。
運動不足や肥満の人は走り慣れていないので、インターバルトレーニングで距離を稼ぐのはまず無理です。苦しんでランニングしたのに、消費カロリーが少なくなるだけです。
インターバルトレーニングは辛い
インターバルトレーニングでは、心臓と血管に負荷をかけるために息切れしながら走ります。インターバルトレーニングは辛いですから、長続きしませんしダイエットに適していません。
ダイエットに挫折する理由の1つは、ダイエットの方法が辛くて長続きしないことです。辛さに関していえば、インターバルトレーニングはランニングの中で一番苦しいものです。
消費カロリーの時間効率が悪い
インターバルトレーニングは短時間で強い負荷をかけるものですから、運動の時間を短くできるとの考えがあります。しかし、これは間違いです。インターバルトレーニングは休憩しながら走るので、普通のランニングより時間がかかります。
インターバルトレーニングと普通のランニングの比較
ランニングのインターバルトレーニングは短時間で速く走ることと休憩を1セットとして、これを何回も繰り返します。ランニングのインターバルトレーニングと普通のランニングにかかる時間は、以下のようになります。
走行 距離 |
所要時間 | |
---|---|---|
インターバルトレーニング (5分/km+3分の休憩) |
普通のランニング (6分/km) |
|
1km | 5分(休憩なし) | 6分 |
2km | 13分 | 12分 |
3km | 21分 | 18分 |
4km | 29分 | 24分 |
ここでは、インターバルトレーニングで速く走るときのペースを5分/km、休憩時間を3分、普通のランニングのペースを6分/kmとしました。
走るペースには個人差がありますが、運動不足やダイエットする人は走るのが遅いので、設定タイムを遅くして休憩を長くしました。
インターバルトレーニングの休憩ではゆっくり走るか立ち止まりますが、ダイエットしている人は立ち止まるでしょう。ゆっくり走るのは真剣なランナーやアスリートだけです。
1kmだけを走ると、インターバルトレーニングの所要時間は普通のランニングより短くなりますが、これはインターバルトレーニングではありません。インターバルトレーニングは3~5セット程度を繰り返す必要があるからです。
休憩でゆっくり走ると、インターバルトレーニングと普通のランニングの時間効率はほぼ同じですが、ダイエットしている人には無理だと思います。
また、所要時間の差は数分しかないので、期待するほどではありません。それよりは楽にランニングしてください。インターバルトレーニングは普通のランニングより2倍は辛いです。
基礎代謝が増えない
ランニングのインターバルトレーニングは持久力を高めるものであり、心臓や毛細血管を発達させて酸素の吸収力を高めます。これは最大酸素摂取量VO2Maxと呼ばれるもので、ランナーとしての持久力を決めます。
しかし、インターバルトレーニングは筋肉を発達させることができないので、基礎代謝を高めることはできません。インターバルトレーニングでは速く走りますが、筋肉を発達させるにはもっと速いスピードか筋トレが必要です。
インターバルトレーニングを積極的にするのは、長距離(持久系)の選手です。具体的には、5000m・10000m・ハーフマラソン・フルマラソンの選手です。このタイプの選手はあまり筋肉がついていません。
どれだけしっかりとインターバルトレーニングをしても、筋肉がつかないことがわかります。
インターバルトレーニングの効果は続く?(バーンアウト)
インターバルトレーニングの効果はトレーニングが終わった後も続くという考えがありますが、これは間違いです。少なくとも、消費カロリーが高いままになることはありません。
心臓や毛細血管が発達するなどの効果は、インターバルトレーニングが終わった後も続きますが、消費カロリーは増えません。体温が高くなったり汗をかくこともありません。
インターバルトレーニングは危険
ダイエットを目的としてランニングするなら、インターバルトレーニングをするのは危険です。ランニングのインターバルトレーニングは本格的なトレーニングです。
インターバルトレーニングでは足や膝にかなりの負担がかかるので、肥満の人はインターバルトレーニングをするべきではありません。ダイエットに成功する前に、足と膝を痛めて走ることができなくなります。重い人は膝を痛めると治らないかもしれません。
重いほどインターバルトレーニングの危険も高まります。体重が70kg以上で走り慣れていない人がインターバルトレーニングをすると、すぐに膝を痛めるでしょう。もしインターバルトレーニングをしたいなら、数か月のランニングをして足が強くなってからにしてください。
アスリートはインターバルトレーニングをしますが、足の故障を防ぐためにこの頻度を週に2回に抑えています。アスリートが注意しながらやるくらいですから、肥満の人はまねしないほうがいいでしょう。
インターバルトレーニングは体を限界まで追い込むので、心臓や循環器系にかかる負荷も大きいです。肥満の人は高血圧になっているかもしれませんから、高い負荷をかけるインターバルトレーニングはやめるべきです。
高血圧を解消するには、ランニングなどの有酸素運動が有効とされています。インターバルトレーニングは無酸素運動と有酸素運動の中間であり、健康目的でするものではありません。
ランニングと筋トレのインターバルトレーニングの違い
ランニングだけでなく筋トレにもインターバルトレーニングがあります。ランニングと筋トレのインターバルトレーニングの違いは、以下のものです。
ランニングのインターバルトレーニングが短時間でダイエットに効果的というのは、筋トレのインターバルトレーニングを誤って連想したものです。
インターバルトレーニング | ||
---|---|---|
ランニング | 筋トレ | |
方法 | 速いランニングと休憩 | 激しい筋トレと休憩 |
効果 | 最大酸素摂取量の向上 (持久力の向上) |
筋肥大 (基礎代謝の向上) |
時間 | 20分以上 | 数分 |
ランニングのインターバルトレーニングは、速いランニングと休憩を繰り返すものです。筋トレのインターバルトレーニングは激しい筋トレをして、最大筋力を鍛えるものです。この2つは似ていますが、効果が違います。
ランニングのインターバルトレーニングをすると、最大酸素摂取量が高まります。これは基礎代謝を増やすことになりません。
筋トレのインターバルトレーニングをすると筋肥大しますが、これは基礎代謝を増やすことにつながります。筋トレのインターバルトレーニングはダイエットに役立つと言えます。
トレーニング時間の違い
ランニングのインターバルトレーニングは少なくとも20分が必要です。体は酸素が足りない状態が20分ほど続くと、酸素の吸収力を高めます。これ以下の時間では、インターバルトレーニングになりません。
筋トレのインターバルトレーニングは数分で十分です。筋トレは筋肉に損傷を与えることですが、これは短時間でできるからです。例えば、片腕のダンベル運動は数分で十分です。
ランニングのインターバルトレーニングの時間は、筋トレより長くなります。
インターバルトレーニングは痩せない
私は趣味でランニングしているので、インターバルトレーニングをします。私は実際にインターバルトレーニングをすることで、そのダイエット効果を確認することができました。
私はインターバルトレーニングをしても痩せませんでした。体重は一時的に減りましたが、すぐに元に戻りました。インターバルトレーニングをしない頃の身長は181cmで体重は62kgでしたが、インターバルトレーニングをしている現在も体重は62kgです。
私は自分のランニングの経験から、ダイエットを目的とするインターバルトレーニングをしないことをおすすめします。
インターバルトレーニングを続けると、スピードは上がりますが痩せませんでした。この理由は、インターバルトレーニングで発達したのは心臓や循環器系であり、筋肉でないからです(基礎代謝も増えません)。もしかすると、ランニングに慣れている私はこれ以上痩せないのかもしれませんが。
おわりに
インターバルトレーニングのダイエット効果は普通のランニング以下であり、特別なダイエットの効果はありません。インターバルトレーニングは辛いですから、普通にゆっくりランニングしてください。
私がランニングをしていると、他にもランニングしている人を見かけます。その人たちはゆっくり走っていますが痩せています。辛いインターバルトレーニングをする必要はなく、ゆっくり走れば十分にダイエットできます。